投資をやっている人なら必ずやらかした失敗体験はあるはず!
この記事では、コロナショック時にVIX指数への投資でやらかした私の失敗談を書きたいと思います。もちろんこの投資方法を全否定するものではなく、失敗したのにはどのような想定崩れがあったのか、投資を始める当初の想定も含めて、解説したいと思います
そもそもVIX指数て?
投資を始めたばかりの人はそもそもこのVIX指数を聞いたことない方もいらっしゃると思いますので、簡単に説明します
VIX指数とは、別名「恐怖指数」とも言われており、S&P500の予想変動範囲を表現しています。要は、この指数が上昇するとS&P500のボラティリティが高まり、株価が下落すると予想されていると言うことになります
実際のVIX指数のチャートがこちら
チャートを見て頂ければわかる通り、VIX指数の特性としては
という特性があります
では、どのような手法でVIX指数への投資を行っていたかというと、
✔︎VIX指数が一定のラインを超えたら売りで入り
✔︎市場が安定し、VIX指数が落ち着いてきたら買い戻す
というやり方で取引をしていました
過去のチャートでイメージを説明すると
VIX指数が20を超えたタイミングでVIX指数を「売り」を入れ、その後の上昇とともに2上昇するごとにさらに「売り」の枚数を増やします
その後、市場が落ち着いてくるとともに、VIX指数を「買い戻す」ことでその差益をとって行くという投資方法になります(実際はこんなにうまく行きませんがw)
VIX指数と指数を使った投資方法の概要説明は以上になります。次にVIX指数はどこでどうやって買えるのか、VIX指数への投資の仕方を説明したいと思います
VIX指数への投資の仕方
では、このVIX指数への投資はどのように行うかと言うと、大きく分けて
①商品先物を取引する方法
②CFD口座でCFD(米国VI)を取引する方法
③CFD口座でCFD(ETF)を取引する方法
④証券口座でVIX指数に連動するETF(上場投資信託)を取引する方法
この4つがありますが、①はプロ向けの商品で一般の投資家が取引するようなものではありません。そのため、詳細の説明は割愛させていただきます
②と③と④の違いを簡単に説明すると、
②CFD口座でCFD(米国VI)を取引する方法
✔︎取引時間がほぼ24時間取引可能(土日除く)
✔︎売りから取引可能
✔︎レバレッジを効かせることができるので少額で投資できる
✔︎信託報酬など、管理費用がかからない
✔︎先物には期限があるため、期限を迎えた場合ロールオーバーコストがかかる
【商品例】米国VI
③CFD口座でCFD(ETF)を取引する方法
✔︎取引は米国市場の取引時間内のみ
✔︎売りから取引可能
✔︎基本的にはレバレッジはかけられない(レバレッジをかけたETFもあり)
【商品例】UVXY:米国VIブルETF/SVXY:米国VIベアETF
④証券口座でVIX指数に連動するETF(上場投資信託)を取引する方法
✔︎取引はそのETFが上場している市場の時間内のみ
✔︎基本的には買いからしか入れない
✔︎基本的にはレバレッジはかけられない
【商品例】1552:国際のETF VIX短期先物指数/2049:NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN
この中で私が使っていたのは、②のCFD口座でCFD(米国VI)を取引する方法で、証券口座はGMOクリック証券を使って投資をしていました
では次に、VIX指数への投資開始時、どのような想定をして投資を開始したいのかを説明したいと思います
VIX指数への投資開始時の想定
このVIX投資方法を試し始めたのが、昨年2019年の夏にトランプと中国のプロレスが繰り広げられていた頃で、試しに30万円を入金し始めたのがきっかけでした
当初の想定としては
【運用時のルール】
- この投資方法が本当に有効か試すため、最小限の資金(30万円)で運用開始
- 20を超えてから2刻みで売りを入れていく
- 売りを入れる枚数は20で1枚、22で2枚とVIX指数が上がるごとに増やす
- 損切りは基本的にはしない。ロスカットラインはリーマンショック時の最高値付近の「90」をラインとして設定
【暴落時の対応】
- VIX指数は上に行くほど下がるスピードも早い事から、上で利益を出せれば低位でとったポジションもロスカットする必要はない
このルールで運用を開始し、トランプと中国のプロレスの影響もあり、順調に利益を出していました
ただ、今振り返ってみると、この時点で暴落時の想定が甘かったなと思います。ロスカットラインをリーマンショック時の「90」に置いていたとはいえ、VIX指数急騰時のロスカットラインを設定できていなかったり、詰めが甘い感じですね(^_^;)
次にコロナショックでどのような想定崩れが発生したかという説明に入りたいんですが、実はコロナショックを迎える前に既に運用開始時のルールを破るという重大なミスをしています
2019年は9月以降に上昇相場を迎え、VIX指数も20を超えることがほとんどないくらいの強気相場になっていました
そのため、私は当初想定の「20」を超えらた売りを入れるというルールを破り、18超えで、さらに「1刻み」のポジションをとるようになってしまっていました
当初想定を下回るラインでポジションをとるようになっていた
コロナショックで起こったこと
既に当初想定を下回る「20」以下でのポジションをとっていた私にコロナショックによるVIX指数の高騰が襲いかかります
2月24日に急激にVIX指数が上昇したことを受け、想定崩れの事態となることが起きます。それが、GMOクリック証券の新規売り規制
この規制により、新規で売りを建てることができなくなってしまったので、完全に暴落時の想定が崩れ、身動きが取れなくなってしまいましたが、当時の私の判断は「規制解除を待つ」をいう選択をとってしまいます
運用開始の想定が崩れてしまったのに、損切りをしなかった
(判断を引き伸ばしてしまった)
さらに、いつかこの暴落も治るかもと思っていた私に追い打ちをかける事態が。それがFRBの緊急利下
通常、利下げを行う際は「0.25%」つづ下げる慣例がありますが、この緊急利下げは「0.5%」と一気に2回分の利下げを行いました。一般的に利下げを行うと株価は上昇する(金利低下により株式市場に資金が流れ込むため)ことが多いですが、この緊急利下げは、「FRBが緊急利下げをしなければならないほど、コロナウイルスによる経済への影響は深刻」とのメッセージを市場に与え、株価は大暴落しました
しかし、この状況においても私はVIX指数の売りポジションを解消せず、延命するという選択をとってしまいます
市場の転換点となるイベントを目の前にしても損切りするという決断ができなかった
この頃から、私の目の前に恐怖のイベントが差し迫ってきます。それが「バックワーテーションの恐怖」
先物である米国VIには期限があり、期限をまたぐ際には価格調整が入ります。平常時、米国VIの売りポジションはコンタンゴ(プラス調整)となりますが、急騰時(暴落時)にはバックワーテーション(マイナス調整)となります
この先物の価格調整がコンタンゴになるか、バックワーテーションになるかは下記のサイトで事前に確認できますが、この時は確認するまでもなく、バックワーテーション(マイナス調整)となることが確実でした
ここでようやく私は損切りを決断。結果−109,040円の損失を出してしまいました
この体験から得た教訓
この体験を通して、得た教訓としては
- なし崩しに運用開始時のルールを変更しない
- 運用を開始した時の想定が一つでも崩れた場合、必ず損切りを実行する
至極当然ではありますが、この2点の重要性を痛感しました。この反省を活かすため、今では長期・短期問わず、運用開始時のルールを可視化し、ルール変更時には新しいルールでのシミュレーションを実施、そのルールの前提となる想定崩れが発生した場合には、迷わず損切り(利確も)をするようにしました
以上がVIX投資においての失敗談です
ここまで長文ですが、読んで頂いた皆さま、ありがとうございました
これからも失敗談を乗せて行きたいなと思いますので、私の失敗体験が皆さまのお役に少しでも立てれば幸いです
それでは、GOOD LUCK!!
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